問診票ダウンロードはこちら

歌人が贈る、こころの処方箋🗻第八句

日常

[さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ]

訳:寂しさがつのって、家から出てきて辺りを眺めてみると、どこもみな同じ秋の夕暮れだ。

この歌は法師の歌です。
「さびしさ」で始まっているこの歌は、法師としての人生観が出ているようですね。
法師が寂しさのせいで、自分の住まいの小さな庵を出て辺りを眺めると、どこも同じ秋の夕暮れなんだ…というのです。

秋はなんだか少し、もの悲しい雰囲気を纏っていますよね。
秋の夕暮れは美しいものですが、つるべ落としのようにすぐに隠れてしまい、長い夜が訪れます。
ですが、美しい夕暮れも、長い夜も、皆様のもとに等しくやってくるのです。

様々な想いが押し寄せる時もあると思います。
ですが、一人じゃない、どこも似た景色、時間が、等しく皆様に流れていることをお忘れなく。

素敵な夕暮れと、素敵な夜をお過ごし出来ますよう。願っております。