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歌人が贈る、こころの処方箋🗻第三句

日常

[めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな]

訳:めぐり会い、見たのかどうかわからぬうちに雲に隠れてしまった夜中の月。
そのように、久しぶりに会ったあの人も慌ただしく帰ってしまわれたことよ。

古典では有名な「源氏物語」の作者、紫式部の歌です。
あの名作から、ドラマチックな恋の歌かと思ってしまいそうですが、「めぐりあひて」のお相手は幼友達です。

偶然再会したけれど、その人かどうかもわからないうちに別れることになってしまった、と詠っています。
大人になるとお互い様々な事情で逢えないことや、話す機会などが少なくなりますよね。

このコロナ禍で益々そんな機会が減ったことと思います。

この歌を読んで、懐かしいあの人を思い出した。
そんなお気持ちになりましたら、是非、お相手にご連絡やお話をする機会などを作ってみるのはいかがでしょうか。