歌人が贈る、こころの処方箋🗻第七句
日常[あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
長々し夜を ひとりかも寝む]
訳:山鳥の、長く垂れ下がっている尾のように、長い長い秋の夜を、私も一人で寝るのだろうか。
こちらの歌は、恋の歌に分けられるものですが、私には「山鳥」や「しだり尾」が「長々し夜」を導き出し、秋の独り寝の寂しいイメージを強調しているように感じ、恋の歌よりも、秋の夜長に一人想いに耽って床に就いてる情景が目に浮かんできます。
百人一首は恋の歌であっても、詠む人が思い浮かべる情景で、歌の捉え方が変わるのが面白いですね。
皆様には、この歌が恋の歌に見えましたか。
それとも、昼間は一緒にいる「山鳥」が夜には別々の谷を隔てて寝るので、長い「しだり尾」を持った雄の垂れ下がった尾のように、[長い長い秋の夜]をイメージし、「山鳥」のように離れ離れで物想いふけながら、独り寝をする長い秋の夜に見えますか。
皆様にはどのような情景に映っているでしょうか。
自分が思い浮かべやすい季節の歌を、探してみるのも良いかもしれませんね。